マウスピース矯正で出っ歯を治せる?適応症例からリスクまで詳しく解説

マウスピース矯正 出っ歯

マウスピースで本当に出っ歯も治る?

「マウスピース矯正は出っ歯の治療が苦手」と聞いたことがあり不安な人もいるのではないでしょうか。

しかし近年マウスピース技術の向上により、マウスピースで出っ歯を治すことが可能になりました。

この記事のまとめ
  • マウスピース矯正で出っ歯は治る
  • 症状によっては治療できない場合もある
  • 市販のマウスピースはおすすめできない
  • 出っ歯治療なら部分矯正が得意なブランドがおすすめ

具体的なマウスピース矯正ブランドも例に挙げながら説明しますので、出っ歯の治療を検討している方はぜひ最後まで読んでみてください。

マウスピース矯正で出っ歯などの歯並びをキレイにする仕組みは?

マウスピース矯正とは、透明で目立ちにくいマウスピース型の矯正装置を装着して歯を移動させる矯正方法です。

歯並びをキレイにする仕組みは、現在の歯並びから少しずれた形のマウスピースを装着することで治療を行います。

以下の内容を繰り返すことで、少しずつ理想の歯並びに近づいていきます。

  1. 現在の歯並びの歯型をとる
  2. わずかに修正した歯並びで模型を作成し、マウスピースを作る
  3. 完成したマウスピースを10日間前後装着する
  4. マウスピースに合わせて歯が動く

マウスピース矯正で出っ歯はどの程度までの症状なら治せる?

出っ歯(上顎前突)の種類には大きく分けて2つあります。

  • 歯槽性”上顎前突・・・マウスピース矯正で出っ歯を治せる症例
  • ”骨格性”上顎前突・・・マウスピース矯正で出っ歯を治すのが難しい症例

以下で、それぞれについて詳しく解説します。

マウスピース矯正で出っ歯を治せる症例:歯槽性上顎前突

”歯槽性”上顎前突は、マウスピース矯正で治すことができます

歯槽性の上顎前突(出っ歯)とは、上の歯が外側に傾いてはいるものの、上下の顎の骨格にはあまり問題がない状態です。

マウスピースで歯槽性の出っ歯を治す方法は主に2つあります。

非抜歯で歯を後ろに送る方法

歯を抜くことなく、奥歯を後ろに下げることで前歯を正しい位置に動かす方法です。

しかし奥歯を下げられる距離には限界がありますので、比較的症状の軽い出っ歯のみが適応できる方法となります。

抜歯をして歯を後ろに送る方法

症状が重い出っ歯の場合は、小臼歯を2本または4本抜歯して後ろに送る方法で出っ歯を改善します。

注意

健康な歯を抜くことになる上に難易度が高い治療になりますので、抜歯をするかどうかは慎重な判断が必要です。

マウスピース矯正で出っ歯を治すのが難しい症例:骨格性上顎前

”骨格性”上顎前突は、マウスピース矯正で治すのが難しい症例です。

骨格性の上顎前突(出っ歯)とは、歯並びは良いものの、顎の骨自体が前に出てしまっている状態。

骨格に問題がある場合は、抜歯をしたり、顎の骨を切るなどの外科手術が必要です。

MEMO

骨格性の出っ歯は、歯槽性の問題も併発していることが多いです。

出っ歯を治療できるマウスピース矯正の種類と費用を紹介

出っ歯を治すことができるマウスピース矯正にはさまざまな種類があります。

費用の目安治療期間の目安
キレイライン約20万~40万円
(部分矯正)
5ヶ月〜1年3ヶ月
インビザライン約70万〜100万円
(全体矯正)
約30万〜40万円
(部分矯正)
1年〜3年
市販の
マウスピース
数百円〜数千円数週間〜数ヶ月

以下で、それぞれの特徴について解説します。

前歯の治療が得意な「キレイライン」

「キレイライン」は、前歯の治療が得意なマウスピース。

軽度の出っ歯であればキレイラインが適応となり、短期間かつ費用を抑えた治療ができます。

キレイラインで適応となる出っ歯の目安は、オーバージェットの量(上の前歯が下の前歯より出ている距離)が6mm未満の症状です。

キレイラインはなるべく「健康な歯を抜かない、削らない」方針です。

しかし症状や患者さんの希望によっては、抜歯やIPR、拡大床といった治療の併用を歯科医師から提案することがあります。

>>キレイライン矯正で出っ歯の症例を見る

IPRと拡大床とは?
  • IPR・・・歯と歯の間を削る処置のこと
  • 拡大床・・・薄い入れ歯のような装置に拡大ネジを埋め込み、そのネジを回すことで歯列を広げる拡大装置のこと

治療後のシミュレーションができる「インビザライン」

「インビザライン」は、治療後のシミュレーションができるマウスピース。

精密検査で採取したデータをもとに、専用のソフトウェアを用いてシミュレーションを行います。

治療後の歯並びや顔の変化について正確に再現できるので、モチベーション高く治療を進めることが可能です。

一方、重度な出っ歯にも対応しているため治療費用が高く、治療期間も長い傾向にあります。

最も安いのは「市販のマウスピース」

「市販のマウスピース」は費用が非常に安いのが特徴です。

歯科医院で行うマウスピース矯正に比べて料金がリーズナブルな上に、ネット通販などで簡単に入手できます。

しかし市販のマウスピースは矯正用の製品ではないため、歯科医院で行うマウスピース矯正のような矯正効果は見込めません。

市販のマウスピースは検査や診断を行わない為おすすめできない

市販のマウスピースは矯正効果がないだけでなく、歯科医師による検査や診断を行わないため危険です。

市販のマウスピースを使用する危険性は以下のとおり。

  • 歯並びが余計に悪化する
  • 噛み合わせが余計に悪化する
  • 歯根が短くなったり、歯が抜けたりする

歯科医師による定期的な検査がないため、歯や歯茎の異常に気付きにくく対処が遅れる恐れもあります。

歯は一生ものです。取り返しのつかないことにならないように、歯列矯正は必ず歯科医院で行いましょう。

マウスピース矯正で出っ歯を治療する際によくある質問

ここでは、マウスピース矯正で出っ歯を治療する際によくある質問にお答えします。

  • 出っ歯を治す治療期間はどれくらい?
  • マウスピースはいつつければいいのか?
  • マウスピース矯正で出っ歯になることはあるのか?
  • マウスピース矯正で横顔もキレイになるのか?

ぜひ、出っ歯の治療をはじめる前に確認しておきましょう。

出っ歯を治す治療期間はどれくらい?

マウスピースで出っ歯の治療をするときの治療期間は、歯を動かす範囲によって違いがあります

  • 奥歯を含めた全ての歯を動かす全体矯正・・・1〜3年程度
  • 前歯など一部の歯のみを動かす部分矯正・・・3ヶ月〜1年程度

重度の出っ歯や奥歯の噛み合わせに問題がある場合は全体矯正が適応となり、治療期間は1〜3年程度必要です。

一方、比較的症状の軽い出っ歯であれば部分矯正が適応となり、治療期間は3ヶ月〜1年程度で済みます。

ポイント

上記はあくまでも目安の期間です。


抜歯の有無や年齢などによっても個人差がありますので、まずは歯科医師に確認してみましょう。

マウスピースはいつつければいいのか?

マウスピースは食事と歯磨きのとき以外は常に装着する必要があります。

歯を計画通りに動かすには、1日20時間以上装着しなければいけません。

装着時間を守らなかった場合、以下の問題が発生するリスクがあります。

  • 後戻りが起こってしまう
  • マウスピースが合わなくなる
  • 歯茎が下がる

後戻りが起こってしまう

「後戻り」とは、矯正治療で動かした歯が元の位置に戻ろうとする力が働くことです。

マウスピースの装着時間が足りないと「後戻り」が起こり、治療期間が長引いてしまいます。

マウスピースが合わなくなる

マウスピース矯正は、精密検査のデータをもとに治療計画を作成し、順番にマウスピースを交換することで歯並びを整える治療。

装着時間が足りないと、計画通りに歯が動かないためにマウスピースが合わなくなってしまいます。

マウスピースを作り直すと、治療期間が長引くばかりか追加費用が発生するケースもありますので気をつけましょう。

歯茎が下がる

マウスピースの装着時間が足りないと、計画に比べて歯が動いていない状況となります。

すると新しいマウスピースを装着した際に大きな力がかかってしまい、歯茎が下がる原因になりますので注意しましょう。

マウスピース矯正で出っ歯になることはあるのか?

結論、マウスピース矯正で出っ歯になることはあります

なぜ出っ歯になるかというと、歯を抜かずに治療をした場合、歯列が前方に拡大しながら歯が並んでしまうからです。

歯列矯正でガタガタの歯をきれいに並べるには十分なスペースが必要です。

拡大やIPR、後方移動といった「抜歯以外の方法」でスペースを確保することがありますが、獲得できるスペースには限界があります。

スペース不足のまま治療を進めてしまうと、歯列が前に拡大していき口元が前に出てきてしまうことに。

失敗を防ぐためには適切な治療計画を作成する必要がありますので、信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。

マウスピース矯正で横顔もキレイになるのか?

マウスピース矯正で横顔をキレイにすることは可能です。

出っ歯や受け口、口ゴボなどの人は口元が前に出ているため、横顔の美しさの基準である「Eライン」が崩れている状態。

マウスピース矯正によって歯並びや噛み合わせを整えることで、「Eライン」を改善することができます。

Eラインとは?

横顔の鼻先と下アゴの突端部を直線で結んだラインのこと。

この線上、または内側に唇が納まっている横顔が美しいと言われています。

ただし、口元の突出感が軽度の場合は矯正では変化があまりないケースもあります。

また、骨格性の問題の場合は歯列矯正での改善が難しく、外科的処置が必要です。

【まとめ】マウスピース矯正で出っ歯を治す仕組みから適応症例までを徹底解説

今回は、以下について詳しく解説しました。

  • マウスピース矯正で歯並びをキレイにする仕組み
  • マウスピース矯正で出っ歯を治せる症例・難しい症例
  • マウスピース矯正の治療費用・治療期間

マウスピース矯正で歯並びをキレイにする仕組みは、現在の歯並びからわずかにずれた形のマウスピースを装着することです。

治療計画をもとに作成されたマウスピースを順番に装着していくことで、少しずつ歯並びが整っていきます。

また、出っ歯を治す場合の治療費用と治療期間の目安は以下のとおり。

費用の目安治療期間の目安
キレイライン約20万~40万円
(部分矯正)
5ヶ月〜1年3ヶ月
インビザライン約70万〜100万円
(全体矯正)
約30万〜40万円
(部分矯正)
1年〜3年
市販の
マウスピース
数百円〜数千円数週間〜数ヶ月

マウスピース矯正で治せるのは、骨格にはあまり問題がなく、主に歯の傾きが原因の出っ歯です。

マウスピース矯正のキレイライン矯正なら、軽度の出っ歯をリーズナブルかつ短期間で治療ができます

できるだけ費用を抑えて出っ歯を治したい方におすすめです。

初回2万円(税込22,000円)でお試しできるので、マウスピース矯正の部分矯正が気になっている方はぜひ検討してみてくださいね。

目安の治療期間5ヶ月〜1年3ヶ月
目安の費用
※自由診療
23.1万円〜41.8万円
​​リスク虫歯・歯肉炎・歯周病・ブラックトライアングル
歯根吸収・歯肉退縮・痛み・噛み合わせの不具合