親知らず抜歯
もしかして、親知らずの抜歯を迫られた経験はありますか?
「親知らずは抜いたほうが良い」
「親知らずは抜かなければならない」
何処かで友達や家族など誰かに言われたり聞いたり、あるいは直接歯医者さんでいわれたことがあるかもしれない。
「親知らずの抜歯は凄く痛い」
「親知らずの抜歯は凄く腫れる」
「親知らずの抜歯は凄く大変」
とも、聞いているかもしれない。
これは社会一般にまことしやかに言われている親知らずの情報です!
もしも、過去に親知らずの抜歯をしていて、このような経験を持っているのなら、それは間違いなく正しい。
しかし、実際にはそうでもなかった方はいませんか?
これらは間違いではないのですが、私は、いささか語弊があると考えます。
まず、親知らずと言っても上の歯と下の歯があるのです。
また、
ちゃんと真直ぐ生えている歯
横を向いている歯
半分も生えていない歯
全く生えていない歯
などがあるのです。
健康な歯
虫歯になっている歯
歯ぐきを腫らしてしまっている歯
邪魔になっている歯
なんて分け方も出来る。
そして、下の親知らずに比べて、上の親知らずの抜歯はとても簡単なことが多いし、腫れることも、痛むことも少ないのです。
下の親知らずであっても、ちゃんと生えている歯はそれほど大変でも痛むことも腫れることも少ないのです。
どうですか?
大方の親知らずの不安は取り除けましたか?
時々私は患者さんに、歯医者として抜歯の必要性を説明します。
「親知らずは口の奥にあり虫歯治療が困難なため、治療結果や予後のことを考えての抜歯」
「智歯周囲炎といった歯ぐきを腫らしてしまったり、親知らずの周囲に悪影響を及ぼすことを考えての抜歯」
「噛み合わせや咬合運動の邪魔になり顎などへの悪影響を考えての抜歯」
「矯正後など歯並びを破壊してしまう可能性を考えての抜歯」
などなど。
しかし、本当に親知らずは抜歯しなければいけないのかな?
もし、あなたが今現在親知らずのことで悩んでいるか、
将来、親知らずに不安があるのなら、
抜歯の説明を聞いたとき、
あれ? ちょっと待てよ!?
と、冷静に考えてほしい!
ちゃんと歯科医師に相談をして説明を受け、
現状やリスクを理解しているのならば・・・
場合によっては必ずしも親知らずは抜歯の必要がないのじゃないか?
実は、私には二本の親知らずが何とか抜かずに守られている(笑)
虫歯治療は困難だけど人によっては可能だし、
虫歯のままであっても痛みがなく、リスクを把握しコントロールするのなら、
虫歯と付き合って生活するのも良いのではないだろうか?
噛み合わせや咬合運動の邪魔だといわれていても、
承知の上なら良いではないだろうか?
今すぐ抜かねばならないような症状がなく、
いざという時は自分で責任を持つ!
定期的に歯医者さんに通い、チェックしてもらう!
だから・・・
抜かなくても良いのではないだろうか?
私は歯医者ではあるが、やはり歯を抜かれるのは嫌なものである!
全ては自己責任の上のこと、例え嫌われ者の親知らずといえども、可能な限り抜かずに残すという選択肢を私は選択した。
だって、抜きたくないんだから(苦笑)