歯並びを治すことについて
私は歯科医として、しばしば歯列矯正や審美補綴などによって歯並びを治します。
患者さんから相談を受けることもあれば、こちらから提案することもあります。
歯並びに関心の高い方、歯並びを治すことに関心が無い方、痛みや恐怖、経済的理由から関心はあっても現状に甘んじている方など、様々な方がいらっしゃいます。
先日、高校生の男の子の患者様のお母様からこんな質問を受けました。
「歯並びって治す必要がありますでしょうか?」
明らかに整った歯並びではない男の子です。
歯列矯正は基本的に保険診療適用外です。
これは、病気とは考えられていないから!
ということは、病気でも無いのに治す必要があるのですか?
と、聞かれたわけです。
では、
歯並びを治すことで、どんな体験が得られるのか?
考えてみてほしいのです。
かつて八重歯の女の子は「可愛い」と言われていました。
歌手の松田聖子さんもデビュー当時は八重歯でした。
ところが、今は違いますよね!
欧米では八重歯はドラキュラを連想するとのことで嫌われていました。
国際化の進んだ今の日本では、八重歯では無い方が良いのでしょう。
綺麗な歯並びは、素敵なんです!
将来、海外留学に行ったとき、素敵な歯並びの方が良いですよね!
手で口元を隠した笑い方をしなくてすみます。
友達も出来やすいかもしれません。
笑顔も素敵になります!
将来、外資系の商社に勤めていたならどうでしょう?
海外勤務があったり、ビジネスの相手が歯並びのきれいな外人だったらどうでしょう?
同じ様な綺麗な歯並びであれば、ビジネスで不利にならなくてすむかもしれません。
ビジネスにおいて、身だしなみは重要なファクターです。
ライバルよりも少しでも有利に!
もしかしたら、歯並びの差で凄いビジネスチャンスをものに出来るかもしれません。
将来、野球選手などのスポーツ選手になるなら、噛み合わせが運動能力に影響することは良く知られています。
ホームランバッターは、とっても歯を大事にしています。
噛み締める力が集中力を生み出します。
歯並びが綺麗でより噛めるなら、オリンピックで活躍できるかもしれません!
さて、医学的なことを言えば、
噛みあわせが良いと、顎に悪影響は及ぼしません。
歯並びが良いと、悪い人に比べて虫歯になる確率が減ります。
歯周病になる確率も減ります。
見た目にも美しくない歯並びは、劣等感などどのような心理的悪影響があるのかはわかりません。
少なくとも、良いに越したことは無いのです!
私は、こんなことを考えてほしいのです。
それは、
歯並びが綺麗で噛み合わせが良い人は、
良く噛めるので、消化も良いし、吸収も良いし、病気になりにくく丈夫になります。
脳に刺激もいきます。
実は、歯がしっかりと残っている人とそうで無い人では、認知症の確立が違ってきます。
だから、
それが必要か必要で無いかは個人の問題ですが、
出来るだけ歯並びは治した方が良いのです!