芸能人と差し歯!
TVに出てくる芸能人の歯って、凄く白くて、歯並びも良い!
でも、デビューした当時は出っ歯だったお笑い芸人も、
売れてくるにつれて、何だか歯が整っていく。
時間をかけて歯列矯正をする間が無い芸能人は、歯を削って神経を取って差し歯にして、
歯の角度を治すことが多い。
本来、虫歯でも無い歯を差し歯にしてしまうのは、とっても勿体無い!
私は、出来れば健康な歯は削りたくない。
どうしてもって時もあるけれど・・・
以前、さんまさんは出っ歯で有名で、イラストになると必ず出っ歯を強調して書かれていた。その上、唾が飛び散る様まで、描かれていた。
お笑い芸人とはいえ、どれほど嫌な思いをしてきたことだろう?
そんな彼が、歯を削って差し歯にした。
それによって、イラストには多少の出っ歯は登場しても唾はあまり見られなくなった。
TVでお顔を拝見していると、なにやら優しい顔つきになったように見える。
歯科医療をしていると、芸能人の卵、歌手の卵、モデルさん、俳優さんの卵など、いわゆるメディア志望の患者さんに出会うことがある。
もちろん、どんな患者さんも成功して欲しい!夢を掴んでほしい!
その為の歯科医として出来ることは手助けしたい!
だから医者の立場としては、
患者さんの体の健康にとって出来るだけ良い方法
患者さんの心の健康にとって出来るだけ良い方法
患者さんの状況や環境にとって出来るだけ良い方法
を話し合って決めることにしている。
歯の色の問題は、先ずは差し歯以外の方法を検討する。
歯の角度の問題は顎の骨の問題など、より複雑な背景があるが、やっぱり矯正治療など、差し歯以外の方法を検討する。
その結果、仕方がなく差し歯になる時もある。
だから、TVをみて自分の歯が芸能人と違って色が濃い、黄色いと思ってしまい、安易に差し歯にして欲しいと願い出る虫歯の無い方!
まず、ホワイトニングなどから検討してください。
ステインやヤニなどを落とすだけでも、かなり綺麗に白くなるものです。
ホワイトニングといえば、
昭和30~40年代の生まれの方に多く見られるが、テトラサイクリンという抗生剤の影響で、歯が全体的に灰色がかって縞模様が出てしまっていることがある。
私の患者さんにも何人かいらしたが、上下左右で12本の前歯を削って差し歯にして欲しいと頼まれ、
その時は、歯を削るリスクと、メリット、ディメリットをお話し、行き成り差し歯にしてもらうのは我慢して、先ずホワイトニングで脱色することにした。
実際には、テトラサイクリンによる色素異常歯にはホワイトニングはそれほど有効とはいえないのだが、この患者さんは、ホワイトニング後にそこそこ満足なさってくださり、差し歯は断念してくれた。
もっとも、満足しなかった場合は、ホワイトニングの次のステップとして、表面を一層削って、セラミックのカバーを貼り付けるラミネートベニアという方法(付け爪をイメージすると分かりやすい)を勧める予定だったのだが。
いずれにせよ、差し歯は仕方がなくすることと考えたい。